「お口の病気」と聞いて、まっ先に思いつくのが虫歯ではないでしょうか。虫歯は、多くの方がなった経験があるにもかかわらず、再発をくり返してしまうもの。身近でありながら、その特性はよく知られていないのかもしれません。
実は、お口の中には約500種類もの細菌が棲みついているといわれています。虫歯は、その中の「虫歯菌」が酸をつくり出し、それによって歯が溶かされていく病気。つまり虫歯にならないようにするには、お口の中から虫歯菌を取り除くことが必要です。
また虫歯の治療は、ごく初期を除いて歯を削ることになります。そうして削った歯は、もう二度と元に戻ることはありません。大切な歯を守るために、虫歯についてもっとよく知りましょう。
虫歯の進行段階と治療法
進行段階 | 症状 | 治療法 |
---|---|---|
【C0:脱灰】 |
歯の表面のエナメル質が少しだけ溶け、白く濁った部分が現れます。痛みなどの自覚症状は、まだありません。 |
この段階であれば、正しい歯磨きやフッ素塗布で、治癒が見込めます。 |
【C1:エナメル質の虫歯】 |
エナメル質が溶けて少し穴があき、黒ずみが現れます。まだ痛みはありません。 |
虫歯の部分を削り、詰め物で補います。 |
【C2:象牙質の虫歯】 |
虫歯が、エナメル質の内側にある象牙質まで進行しました。内側の神経に近づき、冷たい物や甘い物がしみるようになります。 |
虫歯の部分を削り、大きさに合わせて、詰め物・被せ物で補います。 |
【C3:神経の虫歯】 |
虫歯が、歯の奥にある神経にまで達しています。強い炎症が起き、何もしなくても激しい痛みがあります。 |
死んでしまった神経を取り除く根管(こんかん)治療を行い、被せ物で補います。 |
【C4:歯根の虫歯】 |
歯の大部分が溶け、虫歯は歯根まで進行しています。神経が死に一旦痛みはなくなりますが、膿が出ると再び激しく痛み、顎の骨まで感染が進みます。 |
ここまで進行すると、多くの場合抜歯が必要になります。抜歯後は入れ歯やブリッジ、インプラントによって、噛む機能を回復させます。 |
虫歯になりやすい環境とは?
虫歯は、「虫歯菌」「糖分」「歯質」の3つの要素が重なり合い、それに時間の経過が加わって発症します。
【虫歯菌】 プラーク(歯垢)に棲みつく虫歯菌が、虫歯の直接的な原因です。 |
【糖分】 食べカスに含まれる糖分が、虫歯菌のエサになり、酸を生み出します。 |
【歯質】 不規則な生活や食生活の乱れが免疫力を低下させ、歯質を弱くします。 |
+ 時間の経過 |
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虫歯の発生 |